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組織を構成するビルダー、フォロワー、ワーカーについて

僕の経験上、新しい事業体を立ち上げたときの組織構成は大きく3つに分かれる。というか3つのタイプを必要とする。なお、ここではそもそもパフォーマンスが出ない人を含めていない。
  1. その事業を成功させることに高いモチベーションがあり、その結果の責任も積極的に取るタイプ。会社の創業者とか新部門の責任者とか、立ち上げメンバーがコレに当たる。
  2. もともとはその事業に対して特にモチベーションが無いんだけど、事業を担当することによって深くコミットし、結果としてモチベーションが高くなるタイプ。
  3. 事業に対するモチベーションが無いからコミットもしないんだけど、担当する業務はしっかりとこなすタイプ。
1をビルダー、2をフォロワー、3をワーカーとこの記事では呼称する。

事業が立ち上がったばかりの組織構成として、ビルダーは当然少ない。可能な限りフォロワーを増やすことを僕はお薦めする。事業のスタート時期というのは不足していたりそもそも無かったりすることがたくさんあり、それらをプロアクティブに拾い続けて解決するためにはモチベーションが必要だからだ。この時期の組織では、業務に対して合うスキルセットの人を採用する(=ワーカー)より、企業理念や事業ビジョンにコミットしてくれる人(フォロワー)を採用したほうがスピードが上がる。ワーカーがあまりに多いと作業指示が無いゆえの作業待ちが発生し、スピードが上がらない。比率的には1:6:3くらい。

事業がある程度立ち上がって順調に拡大するフェーズになると、今度はフォロワーをどうやってビルダーに成長させるか、ワーカーをどうやってフォロワーに成長させるか、が課題になる。このくらいのフェーズではマネジメント教育とかコーチング研修なんかが必要になる。企業理念や事業ビジョンを更に明確にし、言い続け、常に意識させる作業が必要になる。
そして、ある程度事業の形が出来てくると、ふわふわした仕事が少なくなるので、ワーカーを業務に対してアサインしやすくなる。こうなると2:4:4くらいの比率でも上手くいく。それでもワーカーを過半数以上にするのは僕はおすすめしない。事業にコミットしない人が増えると組織全体が「コミットしないのが当たり前」「コミットしない人が評価されて不公平」みたいな空気感が生まれちゃうことが多い。なので過半数以上は事業にコミットする人で固めたほうが良い。

つまり、組織の責任者は「誰がビルダーで誰がフォロワーで誰がワーカーなのかをちゃんと把握すること」「それぞれをネクストステップに進めるためのアクションを検討すること」「ネクストステップに進まなかったとしてもちゃんと評価できる仕組みを作ること」が求められる、という話です。特にワーカーというのは悪く評価されがちだけど、誰もが事業に対してコミットしてくれるわけではないという事実をきちんと認識し、やることをちゃんとやってるという自体はきちんと評価しないといけない。

余談だけど、いわゆるジョブ型雇用が成功するのはワーカーだ。明確なジョブデスクリプションを用意し、それを実行し実現することで給与が支払われる。ワーカー側としても事業にコミットする必要がなく、やることだけちゃんとやれば給与がもらえる。反面差し替えが可能なのもこのタイプになる。やることが明確ということはそのためのスキルセットも明確だということだし、誰がやっても同じ結果が出るはずだからだ。
ビルダーとフォロワーはそもそもジョブ型が成立しない。事業に深くコミットするということは、つまり事業成長に必要なことは何でもやらないといけないということなので、明確なジョブデスクリプションを定義することが難しいためだ。一方簡単に人を差し替えることも出来ないので、パフォーマンスを発揮すれば長く雇用を確保することが出来る。

最後に、それぞれのタイプに求められる姿勢を書いておく。
  • ビルダー ... 自分がなぜビルダーになったのか、ビルダーであり続けるのはなぜなのか、を常に発信し続ける。つまり企業理念や事業ビジョンを発信し続け、その実現によって何が起こるのかを組織内で意識させ続ける。
  • フォロワー ... 事業にフルコミットする。このタイプはとにかくガンガンやればやるほどその事業に対する情熱が生まれやすいので、ひたすらやり続けるのが一番パフォーマンスが出る。そして情熱が愛に変わったのならビルダーになる。
  • ワーカー ... もし事業にコミットしたくなったのであればすればいい。そうすればそこに情熱が生まれ、仕事が楽しくなる。でもコミットしなくたって良い。ただし、明確なジョブデスクリプションは要求すること。それがないと評価されないし、待遇の向上を交渉出来ない。


英治出版 (2018-01-23T00:00:00.000Z)
フレデリック・ラルー(著), 嘉村賢州(著), 鈴木立哉(翻訳)

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