新会社入社3ヶ月間の意識と行動を振り返る

はじめに

2024年7月に現職にジョインして早3カ月。やっと試用期間が終わります。

周囲には「なんかもう1年以上いる感じだよね」と言われるくらいすっかり馴染んじゃいまして、毎日楽しく仕事しています。これもたくさんサポートして頂いている周囲の皆様のおかげです。いつもありがとうございます。

そんなわけで、この3カ月を「意識」と「行動」の観点から振り返ります。

意識

自分が社内で一番無知であることを認める

僕はIT業界から小売業界への転職だったので、アグレッシブに環境が変わりました。全く小売の業界知識が無いので、用語、商習慣、システム、全てがわかりません。
40代のおじさんはついついプライドが先に来ちゃいがちですが、もうとにかく自分が社内で一番の素人で無知であると認めて、分からないことは何でも調べる、その場で質問する、業界に関連する本を読み漁る、などをしました。
知ったかぶりは何の役にも立ちません。プライドなんかゴミ箱にポイだ。おかげさまで業界について早期にキャッチアップすることが出来たと思います。こんな僕に優しく教えてくれた同僚の皆様に感謝です。

とにかく話を聞きまくる

社内にはたくさんのドキュメントがありますが、実情は(感情も含めて)直接会話するのが一番理解しやすいので、最初はとにかく色んな人にお話を聞きまくりました。
経営メンバー、マネジメントメンバー、特定業務のキーマン、過去の経緯に詳しい人、現場で働くメンバー...それぞれに立ち位置があり、想いがあり、意見があります。そして残念ながらそれぞれの立ち位置ごとにバイアスがあります。なので又聞きで済ませるのではなく、知りたい物事に直接関わる人から自分で話を聞くのが大事だと僕は考えています。
おかげで課題に対して多角的な視点からとらえることができたし、副次的な効果として気軽に会話できるメンバーが増えました。会社に早く馴染めたのはこの活動の成果だろうと思います。

現場に立つ

弊社のような店舗を持つ小売業では、いわゆる直接部門、お客様と直接やり取りをして収益を上げるのは店舗の現場です。そして店舗の業務や課題は、やはり自分で経験しないと本当の意味では理解できないし、解決策の提示もできません。
ですので入社直後に3日間、その後は月に1回、店舗の業務をさせて頂いています。もちろん店舗で働いてる皆さんと比べれば素人同然なので、品出しなどの力仕事くらいしかできませんが、実際にお客様と接したり、店舗で働いている皆さんと会話したりすることで、お客様が何を求めているのか、店舗の皆さんがどんな気持ちが働いているのか、何に困っているのか、が体験として理解できます。
正直に言えば、何より楽しいという気持ちがあり、今後も店舗でのお仕事はさせて頂く予定です。

キーマンと関係性とパワーバランスを見極める

会社は人間の集団である以上、どうしてもリレーションシップの問題は発生します。こういうのを「社内政治」とラベリングして嫌悪する人が一定数いますが、僕のように意思決定が職務に入っている場合は、誰が何に対してステークホルダーになっているのか、誰がキーマンなのか、社内の人間や部署間の関係性やパワーバランスはどうなっているのか、を見極める必要があります。そのほうが意思決定を進めるうえで合意形成しやすいからです。
これは他のメンバーとの会話、打ち合わせの進行過程、過去の経緯のヒアリング、意思決定のプロセス、社内の承認フロー、などから把握します。もちろん僕にもバイアスが入ることがあるので見極めを間違うこともあるし、常に変化するものなので完全に把握するのは無理なのですが、意識しておくだけで物事の進め方の難易度が変わります。

自重せず議論する

入社直後というのはどうしても遠慮して意見が言い辛いものです。なぜなら業務も経緯もわからないからです。「背景がわからないし...」「間違ってたらバカにされるかも...」とかとか、気になっちゃいますよね。
でも僕の考えでは、新入社員というのは一番遠慮しなくてよい立場です。なぜなら無知だし、誰もがこいつは無知であろうと考えているからです。なので気になったことは何でも質問するし、意見も言います。背景がわからないからこそ、しがらみがないからこそ言える意見もあります。もしかしたらその会社においては新鮮な新しい考え方かもしれません。気にせず言っちゃいましょう。しかしあくまで謙虚に。

即レス、即挙手、即実行

これは僕の普段からの姿勢ですが、連絡が来たらすぐにレスするし、レスできない場合はすぐにリアクションするし、依頼があればすぐに挙手してやりますって言うし、必要な作業はすぐにやります。
社内チャットで連絡してくる相手は、当たり前なんですけど僕に質問や用事があるから連絡してくるわけで、すぐにレスが出来れば相手の時間を無駄にせず、相手の決断スピードを早める効果もあります。僕にとっても、そのメッセージに対するアクションを忘れないというメリットがあります。挙手についても実行についても、物事をプロアクティブに捉えて自分事としアウトプットを早く出すことは、自他ともに良い影響を与えると考えています。
これは社内のみならず社外とでも私生活でも同じように意識しています。

口頭やチャットで済ませずドキュメントにする

よくある話だとは思いますが、打ち合わせのアジェンダをきちんと作ったり、議事録を作ったり、エビデンスを残したり、というような仕事の仕方は組織によって大きく違うし、組織の中で(標準化していたとしても)徹底されていないこともあります。
僕はその組織の仕事の仕方に関わらず、僕として、あらゆる物事をドキュメントに残します。アジェンダ/議事録/エビデンスはもちろん、何かを始める時の経緯や目的や計画も、検討プロセスも、相談事項も、報告事項も、悩みも、まず書き出します。そしてそのドキュメントをベースにして会話します。認識というのは個々人によって違っていて必ずズレて一致することはない、という前提のもと、少なくとも文字においては同じものを読んで会話することが重要だと考えているからです。
これは僕が若いころに先輩に叩き込まれた仕事の仕方なのですが、これのおかげで救われた経験が何度もあるので、今でも継続しています。

行動

情報を収集する

まずは正しく社内を把握する必要がありますので、外部に公開されているIR情報、組織図、就業規則のような社内ドキュメント、業務マニュアル、社内の情報システム一覧、各情報システムの設計書などのドキュメント、年間予算計画とIT投資一覧、情報セキュリティ関連のドキュメント、監査関連の資料、などなどを片っ端からかき集めて読みました。
特にIT戦略を考えるうえで中期経営計画と決算資料はしっかり読み込みました。またIT投資の全体像を把握するために年間予算計画も重要なインプットでした。

気になったことを列挙する

毎日毎日、何人ものメンバーと会話して、100ページ以上もドキュメントを読んでると、時間が経つことでどんどん忘れてしまいます。なので気になったことを全部ドキュメントに起こしました。この時点では箇条書きレベルです。収集した情報から得たものだけではなく、入社時のオンボーディング、店舗研修、1on1、その他もろもろ、とにかく気になったことは全部書き出しました。やらなきゃいけないだろうことも一緒に書き出したし、ここはこの会社の良いところだなと思ったところも一緒に書き出しました。僕の場合はGoogleドキュメントで5ページありました。

不明点はベンダーさんと直接会話する

かき集めた情報システムのドキュメントを読み込んでも、全ての把握するのは難しいものです。でも分からないことをそのままにするのではなく、担当しているベンダーさんに来ていただいて、直接説明して頂き、質問もさせてもらいました。
ベンダーさんにとっては迷惑なのかもしれませんが、直接話すことで改めて課題に気づけたり、すでに古くなっていて見直しが必要なポイントを見つけることも出来ました。その結果新たにベンダーさんに発注させて頂く場合もあるので、時々直接会話して見直す機会を設けるというのはベンダーさんにとってもユーザー企業にとってもメリットがあると思います。

解決するべき課題を洗い出し分類する

ここまでのプロセスで様々な「気になること」が出てきているので、そこから解決するべき課題を洗い出し、グルーピングして分類しました。
課題はそれぞれ独立しているように見えても、並べてみると相関関係や依存関係があったりします。一緒に解決できる課題もあれば、順番に解決しなくてはならない課題もあります。課題一つ一つを個別事象として捉えるのではなく、俯瞰して捉えます。ある程度の優先順位も決めました。

短中期のアクションプランを作る

課題の整理が出来たので、短期と中期のアクションプランを作りました。短期は弊社年度における今期、中期は中期経営計画のサイクルを期間としました。
短期ではどの課題をどういう順番で解決するのか、あるいは来期にどの課題を解決するための準備をするのか、を決めました。中期についてはまずIT戦略を策定し、やることとやらないことを決め、アクションプランに落としました。この中期のアクションプランは適時見直しする想定です。
またこのアクションプランは社内の誰でも見える場所に置きました。

職務分掌を決める

大きな会社であれば入社前に職務分掌がカチっと決まっているかと思いますが、僕のようにその会社の歴史において初めてのポジションでの入社だと、職務分掌がふわふわしている場合があります。
いろんな人と会話して、社内の課題を整理する中で、自分に期待されている職務が明確になってきてましたので、改めて自分の職務分掌を整理し、ドキュメントに起こしました。ただし僕の職務は日々増えていくので、「その他の特務事項を企画立案し実行責任を持つ」みたいな、何でもやりますという項目も入れておきました。

職務分掌とアクションプランについて上司の合意を得る

自分の職務分掌とアクションプランを決めても、それを勝手に遂行していても誰にも評価されないので、ちゃんと上司に説明して、合意を得ます。上司だけでなく一緒に働くメンバーにも開示して、自分が何を考えて何をやろうとしているのかを理解してもらいます。
あとはやるだけです。ワッショイ。

まとめ

たった3カ月しか働いていなくて、まだ何の結果も出していないので恐縮なんですが、こんなことを考えながらやってきたよ、というのを振り返ってみました。そのおかげか、今ではいろんな人が僕に相談してくれるので、仕事がどんどん増えています。ありがたいことです。

試用期間が終わったここからが本番、ガンガンやっていきます!




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