「許可を得るな、謝罪せよ」が意図していること
弊社ではセルフマネジメントとアウトプットファーストを行動指針として掲げていますが、セルフマネジメントを象徴する言葉としてよく使われるのが「許可を得るな、謝罪せよ」です。
細かい話は以前ブログにしたのでそちらを読んで頂くとして、この言葉が意味するのは「アクションするのにいちいち許可を得る必要はない。許可を取る時間が無駄。やっていいですかじゃなくてやりましたと言えばいい。その結果間違っていれば謝れば良いだけ」です。
何故この方針を取るのか、この方針によってどのような結果を期待しているのか、を改めて整理したいと思います。
アクションのスピードを上げたい
これは上述した意味の通りで、何らかの施策や企画があるときに、上長の許可を取るために資料を作ったり、打ち合わせしたり、下調べをしたり、という時間が無駄だからです。
この考え方の前提として「小さな失敗を早くたくさんする」というのがあります。どんな施策も企画も、正解なんて誰にもわからないし、やり方次第で変わるものです。アイデアの時点であーだこーだ言うより、実際に手を動かしてやってみて、その結果から継続の判断を行うことで、リスクを小さく、コストも小さく、たくさんアクションすることが出来ます。
モチベーションを持って取り組んでもらいたい
何でもそうですけど、人に言われたことをそのままやるより、自分で考えたことを自分のやり方でやるほうが、面白いです。僕が仕事をする上で、または僕がピープルマネジメントする上で、一番重要視しているのは、面白いかどうか、です。
担当者がモチベーションのないままやって成功することなんて(ほとんど)ありません。その施策や企画の実施に一番モチベーションがあるのはそれを考えた人なので、その人に主導してもらうのが一番成功率が高いです。
主体性を持って取り組んでもらいたい
モチベーションと同様に、担当者が主体性のないままやって成功することなんて(ほとんど)ありません。その施策/企画を自分ごととして捉え、だからこそ知恵を絞って、全力を発揮する、つまり主体性を持って取り組むことが、一番成功率が高いです。そしてもちろん、一番主体性を持てるのはそれを考えた人です。
なお、主体性と責任は違います。前述の通り「小さな失敗を早くたくさんする」ためには、失敗に対して責任を追求するのではなく、結果と知見を追求する、という文化が根付いている必要があります。つまり振り返りとノウハウの蓄積が重要であり、個人に対して叱責や罰を与える必要はありません。責任なんか上長に食わせとけ。
アクションの数を増やしたい
上長が全てを指示したり許可をしたりするのではなく、各メンバーが自主的に施策/企画を考え実施することで、そもそものアクションの数を増やすことが出来ます。結果として、施策/企画のリーダーとしての経験を積む人の数が増えます。
リーダーなんてただの役割だし、上手くいかなければ辞めれば良いだけなんですが、どうしても腰が引けてしまう人が一定層います。そういう人にカジュアルにリーダー経験を積んでもらいたいし、そのためにはリーダーになれる場所はたくさんあったほうが良い。だからこそアクションの数は多ければ多いほうが良いと考えています。
失敗経験を積んでもらいたい
失敗経験は、自分が主体性を持っているものからしか得ることが出来ません。例えば、上長に指示されてやった施策が失敗したとして、そこになにか反省みたいな感情が生まれるでしょうか?多くの人は「上長が悪い」となって終わりでしょう。僕だってそうです。
しかし主体性を持って行ったことについては、自ら振り返り、次回はもっと上手くやるためにノウハウを蓄積するでしょう。そしてこの経験はやはり失敗からしか積むことが出来ません。だから、たくさんのメンバーにアクションにトライしてもらい、そしてたくさん失敗し、学んでもらいたいと思っています。
正直に言えば、会社の規模がある程度大きくなってくると、小さな施策/企画の失敗から発生する損失なんて、大したことないんです。ビビる必要なんて全くありません。ガンガン新しいことにチャレンジして、もちろんガンガン成功させながらも、ガンガン失敗しちゃえばいいんです。そしてメンバーは、その失敗から学ぶことが重要です。もちろん上長はその責任を負います。そのための上長という立場ですからね。