パピーウォーカーとして過ごした日々について

2012年8月25日から2013年9月16日までの一年間、北海道盲導犬協会よりパピーウォーカーとして委託を受け、盲導犬候補犬の飼育を行った。

ここに記録を残そうと思う。

パピーウォーカーについて
盲導犬候補犬の委託を受け飼育を行うボランティアである。盲導犬協会は全国各地に公益財団法人や社会福祉法人といった形であり、北海道の場合は「公益財団法人北海道盲導犬協会」になる。ちなみに場所は札幌市中央区、豊平川沿い。
パピーウォーカーになる条件は多くなく、室内で犬が飼えること、自家用車があること、長時間留守にしないこと、等。基本的に赤ちゃん犬なので長時間目を離すことは出来ないし屋外で飼うことも出来ない、自家用車はパピーを連れて盲導犬協会に来て研修を受ける必要があるため。
金銭的な負担もほぼ無く、餌代とおもちゃなどのみ。病気や怪我の場合は領収書を取得して盲導犬協会に提出することになる。なお、わんこの食費は一ヶ月で大体5000円くらい。家族での外食を1回控えると充分賄える。



なぜパピーウォーカーになったのか
一つは、妻が介護の仕事の中で盲導犬のユーザーさんと関わることがあり、盲導犬という仕組みに興味を持ったため。ちょうど新聞でパピーウォーカーが不足しているという記事が掲載されたこともあり、社会貢献として関わりたいと考えた。
もう一つは、子供たちに犬や猫などと暮らすということをさせてあげたかったため。自分自身もペットと暮らしたことが無く憧れのようなものがあったので、子供たちに経験させてあげたかった。またパピーウォーカーは一年間の限定飼育になるため、最初からペットを飼うよりもスタートする敷居が低かったというのもある。

委託直後から生後三ヶ月まで
7月1日生まれのラブラドールレトリバーの子犬を委託されたのが8月25日。生後2ヶ月なのでとても小さい。


この生後三ヶ月までがとにかく大変だった。まずトイレのしつけ。最初は室内にペットシートを置きそこをトイレと覚えさせようとしたのだが、あちこちに歩いてはシャーっとおしっこし、ウンチも落とす。まぁ人間の赤ちゃんと一緒です。1時間置きなどの短い間隔で屋外に連れて行きトイレをさせたり、またペットシートに排泄する→褒めるを繰り返すことでやっと覚えてくれた。
それと夜鳴き。夜中はゲージに入れておくんだけど、大体2時間~3時間置きにクンクン鳴く。無視しないと癖になり「鳴けば出れるんだ」と思ってしまうので、トイレで無い限りは無視するんだけど、まぁその鳴き方がトイレなのかまだ僕も慣れてなくて判断つかないし、無視するといってもクンクン言われると気になるしで、寝不足の日々が続いた。

生後三ヶ月から半年まで
生後三ヶ月を越えると散歩が出来るようになる。こうなるとトイレも屋外で出来るようになるし、運動しているぶん夜鳴きもほとんど無くなった。うちの子は本当におとなしくて偉かった(きっとパピーウォーカーの人は皆そう思ってると思う)


この頃は僕がちょうど仕事が忙しくあまり家に帰って来れなかったこともあり、お散歩などはほとんど妻にまかせっきりだった。もっとたくさん遊んであげたかったなぁと思う。
時々おなかを壊すことがあったけど、大きな病気も怪我も無く、元気に育ってくれていた。

生後半年から委託終了まで
僕の仕事がちょっと落ち着いたこともあって、毎朝6時に起きて一時間お散歩するのが日課になった。とても楽しい日々だった。ただ食後のおやつが原因なのか、おなか周りがでっぷりと...まるで僕のようになってしまった。近所のラブ飼いのおじさんに教えてもらったんだけど、犬の腹回りというのは散歩では落ちず、食事制限と走ることでしか細くならないらしい。ということで、時々月寒のグリーンドッグというドッグランに連れていったけど、やはり散歩と違う走るという行為はとても楽しかったようだ。あんまり痩せなかったけど。



委託終了
そうして一年間の日々が過ぎ、委託終了式を持ってわんことの日々は終わりを迎えた。僕は残念ながら仕事で参加できなかったんだけど、妻曰く「尻尾振って走っていったよ」とのこと。まぁこれでお別れだなんても思わないものね....

委託終了後、わんこは盲導犬としての訓練を受けることになる。なお盲導犬候補犬から盲導犬になる可能性はかなり低く、おおよそ三割程度らしい。それ以外の犬は介護犬や繁殖犬などの形で福祉に関わるか、あるいはキャリアチェンジとなって希望者に引き取られ普通のペットとして過ごすことになる。

うちで飼育したわんこが今後どのような人生を歩むか分からないけれど、これからの人生が素晴らしいものでありますように。そしてこれからも誰かに笑顔を与えるようなそんなわんこでありますように。そう強く願う。

ありがとう、エール。

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