読了:小川一水:[妙なる技の乙女たち]
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時は2050年、東南アジアの海上都市、リンガ。宇宙産業の拠点となったリンガには、額に汗して働くさまざまな女性たちがいた。宇宙服デザインに挑む駆け出しデザイナー、港の小舟タクシーの「艇長」、機械の腕をもつ彫刻家、巨大企業の末端で不満を抱えるOL......自らの「技」を武器に、熱く働く女たちを描くオムニバスストーリー。
宣伝ポップが「わたしの毎日が、宇宙につながっている」なんだけどまさにその通り。SFが下地であれど基本は働く女性たちを中心にしているので、SFより人間讃歌に近い。7つの短編から構成されているけど、後半にその各話がリンクしていくのも面白い。特に第6話の「あなたに捧げる、この腕を」と第7話の「the Lifestyles Of Human-beings At Space」はグっと来たなぁ。短編集で一番最後の話が一番盛り上がることってなかなか無いから、この構成はすごく良かった。