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僕がピープルマネジメントを学んだ本たち

はじめに

僕はかれこれ20年くらいピープルマネジメントに関わっているのですが、以前いた会社はとても小さな地方企業だったので人材育成や教育なんて仕組みは全く無く、独学しか方法がありませんでした。そこでマネジメントやリーダーシップに関わる本を片っ端から読んで実践で試してきた、という経緯があります。本当はちゃんとした教育を受けたほうが良かったんだろうな、とも思うのですが、まぁそこはタイミングや状況があるので仕方がないですね。

そこで今日は、僕がピープルマネジメントを学ぶために読んで、実際に影響を受けた本をご紹介したいと思います。古典からトリッキーなものまで、思い入れがあるものをチョイスしました。

僕がピープルマネジメントを学んだ本たち

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

ダイヤモンド社 (2001-12-14T00:00:01Z)
ピーター・F・ドラッカー(著), 上田 惇生(翻訳)

古典だからこそ読んでおきたいマネジメントに関する最初の一冊。ここがスタート地点。

人を動かす

人を動かす 文庫版
posted with AmaQuickat 2021.11.18
創元社 (2016-01-26T00:00:01Z)
D・カーネギー(著), 山口 博(翻訳)

古典だからこそ読んでおきたい、コミュニケーションに関する最初の一冊。ピープルマネジメントに関わる人だけでなく、コミュニケートする全人類に読んで欲しい、マジで。

ピープルウエア 第3版

ピープルウエア 第3版
posted with AmaQuickat 2021.11.18
日経BP (2013-12-18T00:00:01Z)
トム・デマルコ(著), ティモシー・リスター(著), 松原友夫(翻訳), 山浦恒央(翻訳)

これもIT業界であれば古典の一冊。ITのプロジェクトで何よりも大切なものは人だ、技術じゃないんだ、というのは見失いがちだけど本当に正しい。ピープルマネジメントの重要性が学べる本。

情熱プログラマー ソフトウェア開発者の幸せな生き方

オーム社 (2010-02-26T00:00:01Z)
Chad Fowler(著), でびあんぐる(翻訳)

ピープルマネジメントの中でやるべきことの一つにキャリア支援があるけど、エンジニアのキャリアを考える上で理解しておくべきことが数多く書かれている。エンジニアを特別視するつもりはないけど、どんなことを考えるべきなのか、どんな未来を描くべきなのか、そのために取るべき行動は、などなどが分かる本。

英国海兵隊に学ぶ 最強組織のつくり方

かんき出版 (2012-09-05T00:00:01Z)
岩本仁(著)

夢があるビジョンを、簡潔かつ明確なミッションにして、部下に任せる、ということを徹底的に解説した本。戦争と同じように現在のビジネスはどんどんスピードが求められるようになっていて、フットワークを軽くするためにはセルフマネージメントの徹底が必要で、そのためにはセルフマネージメントしやすいミッションを与える必要がある。ビジョンとミッションの重要性を再認識した本。

アメリカ海軍に学ぶ「最強のチーム」のつくり方

三笠書房 (2015-05-22T00:00:01Z)
マイケル アブラショフ(著), Abrashoff,Michael(原著), 浩一郎, 吉越(翻訳)

英国海兵隊と基本的な考え方は同じで、明確で一貫性のある目標を設定し、必要な権限を与え、信頼して任せる、そして褒める、ということ。それらを様々な実例を踏まえて書かれた本。考え方は同じでもその凡例に違いはあるので、2冊とも読むことをオススメする。

ビジョナリー・カンパニー 1, 2

日経BP社 (1995-09-26T00:00:01Z)
ジム・コリンズ(著), 山岡洋一(翻訳)

日経BP (2001-12-18T00:00:01Z)
ジム・コリンズ(著), 山岡 洋一(翻訳)

ビジョナリー・カンパニーは全巻読んだけど1と2を抑えておけば大体OK。ピープルマネジメントの本というよりは組織論/企業論の本なんだけど、リーダーシップについて学べることが数多くある。

ティール組織 ― マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

英治出版 (2018-01-23T00:00:00.000Z)
フレデリック・ラルー(著), 嘉村賢州(著), 鈴木立哉(翻訳)

組織論としてはここが現在の最終形だと思う。ティールを目指すかどうかは組織によって異なるけれど、考え方としては理解しておいたほうが選択肢が広がる。

HARD THINGS

HARD THINGS
posted with AmaQuickat 2021.11.18
日経BP (2015-04-17T00:00:01Z)
ベン・ホロウィッツ(著), 小澤隆生(その他), 滑川海彦、高橋信夫(翻訳)

CEOの指南書と言われているけれど、リーダーシップやピープルマネジメントの辛い部分や、その場合の対処方法などが記載された、示唆に富んだ本。名著。

リッツ・カールトンの究極のホスピタリティ

河出書房新社 (2010-05-13T00:00:01Z)
四方啓暉(著)

IT業界ではなくホテル業界の本だけど、「エンパワーメント」(裁量の委譲)についてはとても勉強になった。他のメンバーを信じ、裁量を任せることで、信頼関係を築くと共に成長を促すという、前述の英国海軍や米国海軍と同じ考えがリッツ・カールトンでも取られているのが分かる。

サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法

小学館 (2008-01-23T00:00:01Z)
池上 正(著)

子供への接し方の本だと侮るなかれ。おおよそ全ての人間関係に必要なことがここには書いてある。「怒らない、褒める」あたりはドラッカーと同じなんだけど、「自立性を高めるための努力をしているか、口出し過ぎていないか」はなかなか意識出来ていない人も多いんじゃないだろうか。大人に対しても信頼することはとても重要だよな、と改めて考えさせてくれる本。

さいごに

半分以上は古典なので目新しいリストでは無いと思いますが、リッツ・カールトン本とサッカー本はオススメです。特に池上さんの本は子育てにおいても大事なことが書かれていますのでぜひご一読下さい。

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