読了:山本 弘:[まだ見ぬ冬の悲しみも]
東京に単身赴任していた間は、徒歩通勤だった為ほとんど読書していなかったんだけど、札幌に戻ってきてバス通勤になり、また読書が出来る環境になりました。徒歩通勤で運動することも楽しかったけれど、読書が出来ることもまた嬉しい。
そんなわけで読書復活第1弾は、山本 弘の[まだ見ぬ冬の悲しみも]、短編集です。
SFって、色んな種類がありますよね。ガジェットに主体を置くもの、ストーリーテーリングで魅せるもの、キャラクターを軸に展開するもの...この小説の中心は「ロジック」です。まず大きな軸としてロジックを置いて、そのロジックを中心にストーリーが作られていく。
例えば「奥歯のスイッチを入れろ」では『400倍に引き延ばされた時間』であり、「メデューサの呪文」では『言語文明、言語兵器』がそのロジックにあたります。そのロジックを現実的に思えるレベルまで細部を深く突き詰めることで、ストーリーと、そして暗いマックスに持っていく、というのが全編に共通した仕掛けです。これがまたかなり面白いんですよね。『400倍に引き延ばされた時間』の詳細な描写は迫力のあるイメージを喚起しますし、『言語文明、言語兵器』は読者の思考をハメるトラップとして効果的に使用されています。
思わず納得してしまう偽ロジックの宝箱。これは非常に面白い短編集でした。山本弘はこの本が初めての出会いなのですが、他の著書も読んでみたいと思いました。
そんなわけで読書復活第1弾は、山本 弘の[まだ見ぬ冬の悲しみも]、短編集です。
SFって、色んな種類がありますよね。ガジェットに主体を置くもの、ストーリーテーリングで魅せるもの、キャラクターを軸に展開するもの...この小説の中心は「ロジック」です。まず大きな軸としてロジックを置いて、そのロジックを中心にストーリーが作られていく。
例えば「奥歯のスイッチを入れろ」では『400倍に引き延ばされた時間』であり、「メデューサの呪文」では『言語文明、言語兵器』がそのロジックにあたります。そのロジックを現実的に思えるレベルまで細部を深く突き詰めることで、ストーリーと、そして暗いマックスに持っていく、というのが全編に共通した仕掛けです。これがまたかなり面白いんですよね。『400倍に引き延ばされた時間』の詳細な描写は迫力のあるイメージを喚起しますし、『言語文明、言語兵器』は読者の思考をハメるトラップとして効果的に使用されています。
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山本 弘
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