BABYMETALという”ミクスチャー・アイドル”の3つの魅力
はじめに
以降の文章は音楽専門家でもアイドル評論家でも無いただの音楽愛好家の僕が勢いだけで書いた文章なので正確性も裏付けもクソも無いです。弊社の@take3000が猛烈にプッシュしているBABYMETALというアイドルがいます。
アイドルという下地にヘヴィメタルへの中二的固定概念をプラスしてかつ打ち込みでキラキラ感を出しつつジャパニーズ歌謡の本線を突き進んでいる、という、もはやコンセプト勝ちとしか言えないアイドルなのですが、このBABYMETALが先日1stアルバムをリリースしました。
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このアルバム、今すごいセールを叩き出しています。「ナタリー - BABYMETALが修行の旅に、ヨーロッパで聖誕祭開催」という記事から引用すると
2月26日に発売された1stアルバム「BABYMETAL」がiTunes Storeにて、アメリカのメタルアルバムチャートで1位、イギリスとドイツのメタルアルバムチャートで2位、台湾のロックアルバムチャートで1位と世界各国で上位にランクインと、日本の、しかもわりと色物なアイドルとしては、大奮戦なのでは無いでしょうか。
で、僕もここ数日このアルバムばかり聴いていたのですが、BABYMETALが持つ魅力を3つにまとめてみましたので、ここに書いてみようと思った次第です。
3つの魅力
1.あくまでポップなメロディライン
このアルバムには13曲の楽曲が含まれているものの、それぞれの曲の色合いは大きく違います。かなり重たい音だけで構成された曲もあれば、単に低音の構成としてメタルっぽさを使っているだけでアイドルポップそのものという曲もあります。ベースとしてはあくまでアイドルであり、メタルについてはその様式美を上手く活用している、という印象ですね。このため特にボーカルラインはあくまでポップから大きく離れません。前述した通り、きっちりジャパニーズ歌謡になってます。このため非常に聴きやすいです。
この「聴きやすい」という要素はとても重要で、例えばマキシマムザホルモンなんかはあのキャラのおかげで一見相当コアに見えますが、実情としてアルバム「ロッキンポ殺し」以降の曲はとても"聴きやすい"です。大流行した「恋のメガラバ」もそうだし、アルバム「予習復讐」に収録された「my girl」「恋のスペルマ」なんかもそうですね。80年代〜90年代に作り上げられたポップさを踏襲している曲構成になっています。
この「ポップである」ということ、これが1つ目の魅力です。
2.メタルとアイドルという相反したコンテンツの融合
BABYMETALはメインボーカル1名+コーラス2名という構成なのですが、このメインボーカルの女性、多分もっとテクニカルな方だと思うんですが、ビブラートなどは最小限しか使ってません。しかし伸びやかで丁寧な歌い方をされています。変な言い方をするとアイドルらしい素朴さがあります。僕は別にアイドルに詳しい訳ではないのでコレは完全な印象論なのですが、アイドルの様式美は若さと良い意味での拙さ、そして清潔感にあると思うんですね。しかし、それではメタルの様式美とは何か?高い技術と乱暴さ、そして汚さじゃないですか。これは二つの様式美が完全に相反しています。
だからこそ、このメインボーカルの女性の歌い方は狙っているのでは無いか、と思います。あえて相反した固定概念を組み合わせること。タイトルで"ミクスチャー"と書きましたが、アイドルに別のジャンルを組み合わせた例は他にも色々あります。例えばラップを組み合わせた「ライムベリー」もいます。しかし正直なところ当時ラップはオシャレ要因の一つのような風潮があり、特に違和感ありませんでした(ラップという様式がライムもクソも無いクソバンドにスポイルされた現状について色々思うことはありますがソレは今日の本題ではありません)
この相反するコンセプトを融合させたこと、そしてあえて相反の図式を崩さないこと。だからこそアイドルとメタル、それぞれの様式美が光っていること。ここが2つ目の魅力です。
3.底辺にあるメタルへの造詣、或は憧憬
僕は中学〜高校とメタル漬けの日々を送っていたので、80年代から90年代のヘヴィメタルはそこそこ聴いてきました。古典から入って途中からジャーマンずっぽりになり、その後インダストリアルに傾倒したクチです。で、BABYMETALの楽曲は一口にヘヴィメタル風と言ってもそれぞれ別々のコンセプトがあります。ほぼアイドルポップな「ギミチョコ!!」や「いいね!」、インダストリアル風の「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」 、古典ヘヴィメタルな「紅月」、スラッシュぽい「悪夢の輪舞曲」など...それぞれの楽曲に含まれる古き良きメタルのコンセプトを想いながら聴くと趣きがあります。
特に一番面白いなと想ったのが「おねだり大作戦」で、もうまんまLimp BIzkitのオマージュですよねコレ。途中で入ってくるシャウトが完全にFred Durstです。電車内でニヤニヤしちゃいました。
なので、元メタルリスナーが聴くととても面白いです。これは「ヘヴィメタル風」と言いつつ、作曲やプロデュースしている人がちゃんとヘヴィメタルを"解って"作っているんでしょう。単にメタル感をつまみ食いしているわけじゃなくて、メタルが好きで作ってるんだと感じます。
このヘヴィメタルへの愛、これが3つ目の魅力です。