読了:万城目 学[ホルモー六景]
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このごろ都にはやるもの、恋文、凡ちゃん、二人静。四神見える学舎の、威信を賭けます若人ら、負けて雄叫びなるものかと、今日も京にて狂になり、励むは御存知、是れ「ホルモー」。負けたら御存知、其れ「ホルモー」。このごろ都にはやるもの。元カレ、合コン、古長持。祗園祭の宵山に、浴衣で駆けます若人ら、オニと戯れ空騒ぎ、友と戯れ阿呆踊り。四神見える王城の地に、今宵も干戈の響きあり。挑むは御存知、是れ「ホルモー」。負けたら御存知、其れ「ホルモー」。古今東西入り乱れ、神出鬼没の法螺試合、若者たちは恋謳い、魑魅魍魎は天翔る。京都の街に咲き誇る、百花繚乱恋模様。都大路に鳴り渡る、伝説復古の大号令。変幻自在の第二幕、その名も堂々「ホルモー六景」、ここに推参。「鴨川ホルモー」のスピンアウト作品。正直なところ、「鴨川ホルモー」の読了後の感想は"ただの面白い小説"でしか無かったんだけど、「ホルモー六景」を読んで"すごく器用で巧い作家"であると考えを改めた。 それぞれのエピソード同士を絡めてきたりとか、本編であっさり触れられていたところを深くストーリーに落とし込んでみたりとか、どれも良かったんだけど特に「もっちゃん」と「長持の恋」は上手く作ってきたなぁと感心しました。 本編が面白かった人にとっては思い入れも含めてすごく楽しめると思う。というか本編だけしか読まないのは勿体ない。万城目学という作家をすごく好きになりました。