読了:山本弘:[地球移動作戦]
本作品は2011/05/05に文庫版が発売され、印税がすべて東日本大震災の被災者の方々に寄付されることになっています。それに伴い、作者の山本弘さんのWebサイトで特設ページが解説されています。僕が読んだのはハヤカワSFシリーズ Jコレクション版。
それと、ACOM(人工意識コンパニオン)ですね。AR上で動くエージェントプログラムのようなものなのですが、擬人化されていることで扱いがファイブスター物語のファティマのようでした。つまり事務的にプログラムとして利用するものもいれば、家族や恋人・友人のように親しくするものもあり、あるいは虐待や性的対象として扱われたりとですね。ファティマと違うのは肉体の有無と感情部分ですが、擬似知性から知性として認識されるようになる過程は良かったです。
無理にアクションめいた表現を使うことなく、地球を移動させる「プロジェクト」を中心に描かれていたことで、リアリティを感じることができました。非常に楽しめました。
西暦2083年、超光速粒子推進によるピアノ・ドライブを実用化した人類は、新しく発見された謎の天体2075Aの調査のため、深宇宙探査船を派遣した。船長・ブレイドたちの観測によって、この星は24年後に地球に迫り壊滅的な被害をもたらすことが判明する。多くの対策案が提唱されるなか、天体物理学者の風祭良輔は、娘魅波と息子沙亜羅の会話をヒントに、驚くべき地球救済の計画を発案する…。地球滅亡ものはSFとして古典ではあるのだけれど、本書での特徴は「地球に天体が衝突しちゃうから地球動かして回避しようぜ」というアイデア。天体側を何とかするんじゃなくて地球を何とかしちゃうってのは、なかなか壮大ですよね。元ネタは「妖星ゴラス」だそうですが、地球を動かす影響として発生する社会現象や利害の議論、災害などを細かく描いているところに引き込まれました。
それと、ACOM(人工意識コンパニオン)ですね。AR上で動くエージェントプログラムのようなものなのですが、擬人化されていることで扱いがファイブスター物語のファティマのようでした。つまり事務的にプログラムとして利用するものもいれば、家族や恋人・友人のように親しくするものもあり、あるいは虐待や性的対象として扱われたりとですね。ファティマと違うのは肉体の有無と感情部分ですが、擬似知性から知性として認識されるようになる過程は良かったです。
無理にアクションめいた表現を使うことなく、地球を移動させる「プロジェクト」を中心に描かれていたことで、リアリティを感じることができました。非常に楽しめました。
山本 弘,鷲尾 直広
早川書房
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