中原中也と僕

僕は好きな詩人が二人します。宮沢賢治と中原中也です。二人とも国語の教科書などに掲載されることも多い、有名な詩人ですね。「一作品も読んだことが無い」という人は珍しいのでは無いのでしょうか。10代の頃はこの二人の詩集をよく読み返していました。

中原中也は「汚れつちまつた悲しみに」「サーカス」「一つのメルヘン」辺りが有名ですが、他に僕の好きな詩として「宿酔」があます。

朝、鈍い日が照つてて
  風がある。
千の天使が
  バスケットボールする。

私は目をつむる、
  かなしい酔ひだ。
もう不用になつたストーヴが
  白つぽく銹(さ)びてゐる。

朝、鈍い日が照つてて
  風がある。
千の天使が
  バスケットボールする。

日の光が鈍く、またストーブが不用ということから、春か初夏を連想します。前夜に深酒をしてしまい、気だるく目覚め、開け放した窓から入ってくる風が心地よい。「千の天使がバスケットボールをする」という言葉から、「日の光が揺らめいて、天使がバスケをしているように見える」と「体育館でのバスケットボールのバウンド音のように、音が鈍く響いている」と二つの事象を、僕は思い浮かべます。二日酔いのときって、目は開いているんだけどうまく情報が処理できないし、入ってくる音が全部歪んで聞こえるんですよね。妙に共感しちゃう一作です。

これ以外にも中也の詩は深く染み入るものからニヤリとするものまで多彩なので、未読な人には強くオススメします。青空文庫でも読めるので、是非。

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