読了・森見 登美彦:[きつねのはなし]

この作家はストーリーテラーとしても優れているのだなぁと感じさせてくれました。
ホラーでは無く怪談に近い、ヌメっとした質感がどの話の根底にもあります。京都が舞台ということで、琵琶湖の影響でもあるのか、池だったり雨だったり汗だったり、水がキーワードとして多く出てきますね。全体的に疾走感があるわけでなく、どちらかといえば淡々と語られていくのですが、その裏にしっとりと描かれた違和感が怖いです。
古都らしく、京都の和の魅力が満載なのも面白い。京都は余所者には冷たい土地と良く言われますが、一度住んでみたいところではあります。

きつねのはなし
きつねのはなし
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森見 登美彦
新潮社
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