レビュー:村上春樹:[アフターダーク]

村上春樹:[アフターダーク]

読むのは2度目。「スプートニクの恋人」、「海辺のカフカ」からこの作品と続いているので、今までとは作風ががらりと変わったような印象を受けます。むしろ初期の村上春樹に近いのかと思いました。真夜中から早朝にかけての、昼とは世界が変わる「深夜」という時間帯の、暴力的かつ悪意の世界を中心としながら、最後の癒し、救いが描きたかったのかなぁと思いました。長く深い小説が多かった最近の村上春樹の中では異色なほど読みやすい文体の小説だと思います。

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