2009/11/25

読了:恩田 陸:[夜のピクニック]

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために―。学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。

元々あまり新しい小説や青春小説に手を出すほうではないのだけれど、ネット上での評判が非常に高かったので読んでみました。感想は...いや、確かに面白かったです。

物語の始まりから、結末が「歩行祭のゴール」であるだろうことが推測される、つまり最初から着地点が決まっている中で、多くの登場人物にサイドストーリーが用意され、それがラストに向かって絡みつつ収束していく...このストーリーテーリングにぐいぐい引き込まれていきます。青春小説といえど決して甘ったるい恋愛話では無く、心の機微や心理描写、苦悩が丁寧に描かれており、その結果感情移入しやすくなっています。中高生のころの青臭い気持ちが匂ってくるような、美しい物語でした。

現役高校生よりも、大人が振り返って楽しむ青春の物語だと思いました。もちろん高校生には楽しめないと言うわけでは無く、機会があればぜひ読むと良いと思います。

夜のピクニック (新潮文庫)
恩田 陸
新潮社
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